1999/11月号

旅で出会った不思議なこと、おもしろい事件、悲しいこと等など・・・つれづれなるままに、書き綴り候・・・。
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恐怖のチャーター・フライト

なんとか少しでも安くオーストラリアに行きたい!!その願いをロンドンにある旅行会社の社長さんが聞いてくれた。

「安くシドニーまで行けるチケットが見つかったわよ。ロンドンからシドニーまで、ひとり£420(約84000円)。そのかわり、変更が一切できないチャーター・フライトだけどね。」

チャーター・フライト??まあ、なんでもいいや。安くすめば。と、あんまり深く(とくにチャーター・フライトがどんなものであるのかについては)考えずに2つ返事でOKしてしまった。この時期、ロンドンからシドニーまでの平均的な航空券の価格は、格安航空券でもひとり約£600くらいだったのだから。

日本でもよくチャーター・フライトというのを見かけるが、まあJALなどの航空会社のジャンボ機1機あたりを借り切って、会社の慰安旅行とかに使うといったイメージで、とくに問題があったとか、サービスが散々であったという話は聞いたことがない。
だからきっとどうってことないのサ、と軽〜く考えていた。

チャーター便に乗る当日、早朝、夜も明けぬうちに薄暗い空港に到着。
相当に早いため、空港内の店もまだ開いてはいない。節電の為か、電灯も半分がた消えたままだ。
おそらくこのフロアに集まっている人のほとんどが、これから自分が乗り込もうとしているチャーター便に乗るのだということは、すぐにわかった。なぜならば、身なりが一様にあまり裕福ではない家柄の人たちであるということが、はっきりとわかるからだ。(イギリスでは一見しただけで、身分の差がハッキリとわかるのである。)やっぱり、格安のチャーター・フライトには、裕福な人は乗らないんだなぁ・・・。

6時になって、ようやく空港内の店がポツポツと開き始めた。何故か皆、お菓子やジュースをたくさん買っていた。朝早かったので、朝食のかわりなのかもしれない。

チェック・インに相当な時間がかかって、ようやく長蛇の列から開放されたと思ったのも束の間、搭乗ゲートは、これほどたくさんの人が同じ飛行機に乗れるのだろうかと思うほど、人であふれかえっていた。

やっと搭乗案内があり、機内へ入って驚いた。なんと普通のジャンボ機などに比べると、座席の列がどこも1列多い。そして、もちろんのことビジネス・クラスなどはないから、すべてエコノミー席で、小さく狭い座席がダーーーと並んでいるのだ。

そして、トイレの数が一般機よりも少ないことに気が付いた。トイレは中央部に2ヶ所、後方部に2ヶ所の計4ヶ所のみなのである。一般機よりトイレの数を減らし、その分の場所にも座席がしつらえてあるのだ。
こんな、一般機に比べ座席数が約1.5倍ほどは多いと思えるチャーター機は、文字通り、“すし詰め状態” でロンドンを後にした。

座席は運悪く、真ん中6席ある列の真ん中、どちら側の通路に出るにも、2または3人の人をまたがなければならない。
周りを見渡せば、ひとひとひと、そしてまた人!気分が悪くなるほどだ。そうだ寝てしまえばいい。寝てしまえば、周りを見て気分が悪くなる事も、トイレに行きたくなることもなくなるだろうから・・・。

このチャーター便は、ロンドンからシドニーへ向かう途中、バーレーンとシンガポールを経由する。しかし途中降機は一切できない。悲しいチャーター・フライトの掟である。
離陸後、間もなくしてお決まりのごとく、ワゴンを押したスチュワーデスがやってきた。でもなんだか様子がおかしい。みんな、財布を出しているのである。
そうか!このチャーター便内では、飲み物は買わなければならないのだ。だから、それを知っている、チャーター便慣れした乗客は、空港でたんまり飲み物を買い込んでいたのだ。
続いて、食事が出てきた。さすがにこれは、料金に含まれているらしい。食後のコーヒーか紅茶だけはサービスのようだ。
案の定、トイレはいつも長蛇の列である。さっさと 食べるだけ食べて、後は計画どおり寝る事にした。(といって本当に寝られるヤツは少ないだろうが、自分は意外と簡単にできるタチなので助かった。)

途中経由するバーレーンでは、空港内で約1時間あったので、空港内キオスクにてミネラル・ウォーターを仕入れて、またすし詰め飛行機に乗り込んだ。また、しばらくして食事。そしてまた寝る。

次の経由地シンガポールでも、約1時間の空き時間があったので、今度はえびせんのようなスナック菓子と水、ジュースを仕入れて、またすし詰め機に乗り込む。そしてしばらくして、また食事。これでは、養豚場のブタ同然である。実はここまでで、軽食を含め、既に4回の食事が出ている。そして何故か食事のワゴンが運ばれてくると、それまで(自分でも驚くほど)ぐっすり寝ていたはずが、パッと目を覚まし、食事だけは全部食べているのである。飲み物に金を取るほどケチなわりには、食事は意外とおいしく、おまけにデザートにアイスクリームを配ってくれたりするから、目も覚めようというもの(???)。

シドニー到着まであと、約1.5時間となった。またまた、今度はこのチャーター・フライト最後の食事が運ばれてきた。ここまで約21時間。乗っている間中、2回ほどやむをえずトイレに行ったものの、あとは食事が運ばれる3分前からムックリと起き、食べるだけ食べて、トレイを下げに来てくれたのも気づかず、ひたすら眠り続けた。実はこの後も、シドニー空港着陸の瞬間(滑走路に接触する)まで、また寝ていたのである。イヤ〜、後にも先にもこんなに、寝た(寝られた)飛行機はないなあ・・・。

つれづれなるままに旅日記

No.011

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小僧